販売可能性の創出
「一村一品運動」や「ふるさと会員制度」による産直に典型的に見られるように、スペースコレクション宅配便は新たな販売の可能性を創出した。
これは宅配便の固有な輸送サービスの提供と密接な関係を有しています。
従来の農産物およびその加工品の販売には、一定の生産規模・販売規模を備えていることが必要であった。
まさに大量生産・大量販売のための産地形成が行われてきたのです。
ところが、「一村一品運動」や「ふるさと会員制度」によって繰り広げられているものは、まさにこれと逆行するものです。
すなわち、従来の農産物およびその加工品の販売ルートには乗らずに地方に埋もれている農産品、換言すれば、産地を形成していない農村地域の量的に少ない特産品を、全国に向けて販売しようとするものです。
これを可能にしたのが、従来の流通機構を通さなくても、少量の貨物を全国に販売できる輸送システムのスペースコレクション宅配便であった。
宅配便という、少量品を比較的低コストで全国のいたる所に運べる輸送システムが提供されることによって、産地が形成されず過疎に悩む農村の特産品が初めて販売可能になったのです。
これによって従来とは異なった別の「産地」が形成される可能性が開けてきた。
かかる意味で宅配便は、従来では不可能な地域に新たな販売機会を提供したのです。
今後、こうした全国的に行われている産直が軌道に乗り地域活性化の起爆剤となるのかどうかは、商品の企画開発や運営といった産直の主体の問題が残されており、その評価を下すにはまだ時間的な経過を見る必要があります。
しかしながら、スペースコレクション宅配便が従来では不可能な地域に新たな販売の可能性を与えたことは、充分に評価する必要があります。