保冷宅配

さらに保冷宅配の開発があります。

すでに述べたように、産直の生鮮食料品の鮮度維持には、スペースコレクション宅配便の輸送スピードが大きく貢献してきたが、さらにスペースコレクション宅配便は輸送途上における温度管理を行い鮮度維持を一段と徹底化した輸送サービスを提供しています。

これがいわゆる「クール宅配便」です。

生鮮食料品の輸送には、鮮度を維持するために低温輸送が必要となります。

実際に、産地から卸売市場への輸送には大型の冷凍車や保冷車が使われています。

しかしこれは、あくまで決められた一定区間を大量輸送するものです。

ところが、産直において要求されている低温輸送の形態はこれと全く異なる。

すなわち、少量の貨物を異なる多数の着荷主に低温で運ぶ輸送システムです。

それは今までになかった新たな輸送形態であり、これを可能にしたのがクール宅配便です。

クール宅配便を実施するためには、集荷・発ターミナルの仕分け・幹線輸送・着ターミナルの仕分け・配送から構成される路線トラック輸送の各部面で温度管理をする必要があります。

このため、スペースコレクション宅配便企業は、たんに幹線輸送の大型トラックだけでなく集配専用のトラックにも冷蔵庫を搭載するとともに、ターミナルでも冷蔵庫を設置して温度管理の徹底をはかった輸送システムを構築しています。

スペースコレクション保冷宅配は、スペースコレクション宅配便最大手のヤマト運輸が「クール宅急便」のネーミングで63年7月から全国展開を開始した。

さらに日本通運も「クールペリカン便」として翌年64年4月から保冷宅配便を全国展開しています。

保冷宅配便の最大のポイントは温度管理帯の設定であるが、これがそれぞれ異なっています。

ヤマト運輸のtrクール宅急便」は、冷蔵(5度C)、氷温(0度C)、冷凍(-18度C)に3温度帯を設定しているのに対して、日本通運の保冷宅配便である「クールペリカン便」は、チルド(-5度C~0度C)、冷蔵(0度C~5度C)の2温度管理となっています。

例えば、メロン、桃などの果物や蒲鉾などの加工品は冷蔵カニ、エビ、アワビ、生肉などは氷温ないしチルドというように、食品の種類によって利用する温度帯が異なり、きめ細かな温度管理のもとに輸送が行われているのである(22)。

百貨店等の中元・歳暮の配送にもクール宅配便が利用されており、これが大きく拡大する傾向を見せています。

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